お役立ち情報:エキシマレーザーについて
エキシマレーザーについて
情報誌「HAKATA KOMA:No.111(1999年9月15日発行)」に掲載されたものです。
執筆者は当院副院長 松井 裕康です。
「エキシマレーザー」を用いた新しい眼科治療・近視矯正手術
眼鏡が煩わしかったり、トラブルが多くてコンタクトレンズを使えない方の近視矯正に大きな効果を発揮する治療用装置「エキシマレーザー照射装置」が開発された。眼科専門医として同装置を福岡市で初めて導入し、積極的に近視矯正に取り組んでいる「大島眼科病院」の松井裕康外来医長にお話を伺った。
1:エキシマレーザーとは?
一言にレーザ光線と言っても、種類によって性質が違うため、その利用方法にはそれぞれ特殊性があります。近年開発されたエキシマレーザーも特殊な性質を持っているため、全く新しい眼科手術が可能となりました。
エキシマレーザーは目に見えない光線で、分子間の結合を切る作用があります。簡単に言うと、熱を発生しないのに、水が蒸発するように物を気化(蒸散)させるという性質があります。従って、このレーザーを角膜(黒目の部分)に照射することにより、4千分の1ミリという細かさで角膜の組織を削り取ることができます。エキシマレーザー照射装置はこれをコンピュータで制御するため、メスではできないほど薄くなめらかに角膜の表面を削ることが可能です。
2:エキシマレーザーでどの様な眼疾患が治療できますか?
眼球はちょうどカメラと同じ様な構造をしており、角膜とその奥にある水晶体がレンズの役割を果たして光りを屈折させ、眼底に像を結び、眼底にある網膜が写真のフィルムのように光りを感じます。ところが、眼底までの眼球の長さに対して角膜と水晶体の屈折力が強すぎる場合、光りが眼底に届く前に像を結ぶことになり、この状態を近視と呼びます。そこで、エキシマレーザーで角膜の表面を削り、角膜のカーブをゆるやかにすれば、屈折力を弱めることができます。これが PRK(Photorefractive Keratectomy)やLASIK(レイシック:Laser in situ Keratomi leusis)よ呼ばれる近視矯正手術の原理となります。眼鏡やコンタクトレンズも近視矯正のひとつの方法で、わざわざ手術を受けなくても近視矯正ができて、しかも何回でも作りなおすことができるという利点がありますが、それに伴う煩わしさ、即ち、器具がないと見えないという問題点があります。例えば、夜間における乳幼児や病人の世話、トイレなどの場合、起きてから先ず、枕元の眼鏡を探すことになります。災害などの緊急時も、眼鏡がないと困ります。このような近視によって生じる生活上の制限を軽減させるため、レーザー手術によって裸眼視力を改善するというひとつの選択肢があります。
3:手術時間はどれ位ですか?
手術は点眼薬の麻酔だけで術中の痛みもなく、15分程度でできますが、手術直後からよく見えるわけではなく、術後約1週間のうちによく見えるようになり、1ヶ月から3ヶ月で安定していきます。
4:手術の際の注意点は?
エキシマレーザーの開発によって、精度の高い手術が可能になっています。しかし、希ではありますが、術前よりも見えなくなるような術後合併症を生じることも報告されています。合併症が強い場合、角膜に混濁を生じ、目の中に入ってくる光りを混濁が遮るため、眼鏡をかけても視力が悪くなることがあります。術後合併症に関しては前もって予測がつきにくいため、担当医が合併症の危険性をどれだけ術前検査で発見できるかが重要な鍵となります。また、もし術後の眼に問題が起きた時、全てに対して適切な治療ができる眼科専門の医療機関を選ぶことが必要です。そのためには、エキシマレーザーのみならず、緑内障や網膜剥離、角膜移植など広い分野にわたって眼科手術の実績がある医療機関であることを確かめなければなりません。合併症の危険性などについて説明を充分聞き、手術のメリット、デメリットをよく理解したうえで最も自分に合う方法を選択することが大切です。まずは専門医制度で認定を受けた眼科専門医の診察を受けてください。
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近視矯正手術を希望の際、手術を受ける医療施設を選ぶポイント
- (1)認定された眼科専門医であること。
- (2)エキシマレーザー以外の眼科手術も広く実績があること。
- (3)万が一、術後の疼痛があったり合併症を生じた時には、入院も可能で適切な治療ができること。
5:手術を受けられた方の声
この手術に出会ったことを嬉しく思っています。 [Mさん(福岡市在住 35才・女性)]
私は中学生の時から視力の低下が進み、裸眼視力が0.06と眼の悪いことが悩みの種でした。近視矯正治療にエキシマレーザーが導入されたと聞き、関心を持ち始めていたのですが、手術の決断をするまでには色々な不安が伴い、躊躇した面もありました。けれども、その後、幾度か医師からの熱心な説明を受ける事で、心配なく手術当日を迎えることができました。手術自体はほんの数分程度で痛みもなく、あっという間に終了。なんと術後には今までぼやけていたものがはっきりと見えたのです。術後2日目には裸眼視力が1.2まで回復。眼鏡をかける煩わしさもなくなり、心持ちか肩凝りなども軽減し、気分的にも快調です。近視矯正手術を受け、眼が見えることの喜びをかみしめている毎日です。

