福祉の豆知識:第1章

1:母子の医療と福祉の制度は「時期」によって分類すると便利です

    【1】妊娠中には
  • 1)母子手帳交付があります
  • 2)妊産婦健康診査が無料で受けられます
  • 3)妊産婦訪問指導を受けることができます
  • 4)助産施設に公費で入所できる助産制度があります

    【2】新生児から乳幼児期には
  • 1)先天性代謝異常等検査が受けられます
  • 2)2500g未満で出生すると低出生体重児の届出をします
  • 3)低出生体重児には養育医療が給付されます
  • 4)保護者は訪問指導を受けることができます
  • 5)便カラーカードテストで胆道閉鎖児の早期チェックが行われます
  • 6)身体障がい児対象に育成医療が給付されます(本稿第3章第4章参照)

    【3】乳幼児期には
  • 1)乳幼児医療費公費負担制度で助成が受けられます
  • 2)乳児健康診査が無料で受けられます
  • 3)1歳6ヶ月児健康診査が無料で受けられます
  • 4)3歳児健康診査が無料で受けられます
  • 5)無料の定期予防接種と有料の任意予防接種があります
  • 6)母子保健相談指導事業があります
  • 7)育児のための地域活動等支援事業があります
  • 8)結核児童対象に療育医療の給付があります
  • 9)小児慢性特定疾患児を対象に治療研究事業および手帳交付があります

2:児童の医療と福祉の制度は相談・医療・福祉・教育に分けられます

    【1】児童専門の相談機関と専門職員には以下があります
  • 1)児童相談所
  • 2)児童家庭支援センター
  • 3)福祉事務所内家庭児童相談所
  • 4)保健所
  • 5)地域子育て支援センター
  • 6)児童委員
  • 7)医療ソーシャルワーカー

    【2】公費負担の児童対象の医療には次のものがあります
  • 1)乳幼児医療費公費負担制度
  • 2)重度心身障がい者医療費助成制度
  • 3)養育医療制度
  • 4)育成医療制度(本稿第3章第4章参照)
  • 5)療育医療制度
  • 6)特定疾患治療研究事業・小児慢性特定疾患治療研究事業(本稿第6章参照)
  • 7)通院医療費公費負担制度(精神障がいの状態にある人を対象(本稿第3章参照)
  • 8)学校保健制度

    【3】福祉として
  • 1)児童を養育している方に児童手当があります
  • 2)母子家庭が自立した生活を送ることを支援するために児童扶養手当があります
  • 3)精神又は身体に障がいを有する児童を監護・養育している方に特別児童扶養手当があります
  • 4)重度の障がいがあるために常時介護を必要とする児童に障がい児福祉手当があります
  • 5)児童のための福祉施設には以下のものがあります(第4章/表2参照)
  • ├(1)保育所
  • ├(2)一時保育・延長保育・夜間保育
  • ├(3)乳幼児健康支援デイサービス事業
  • ├(4)乳児院
  • ├(5)ショートステイ
  • ├(6)トワイライトステイ
  • ├(7)その他の児童福祉施設
  • 6)障がいのある児童のための医療・福祉制度としては(本稿第3章第4章参照)
  •    A:身体障がい者手帳の交付で
  • ├(1)補装具の交付・修理が受けられます
  • ├(2)日常生活用具の給付があります
  •    B:知的障がい児に対して指導相談や援助措置を受け易くする為療育手帳が交付されます
  •    C:在宅で受けられる医療・福祉サービスには以下があります
  • ├(1)訪問看護
  • ├(2)訪問リハビリテーション
  • ├(3)児童居宅介護(ホームヘルプサービス)
  • ├(4)児童デイサービス
  • ├(5)児童短期入所(ショートステイ)

    【4】教育には
  • 1)病弱・虚弱な児童の教育制度として病院内の院内学級や養護学級があります
  • 2)障がいのある児童の教育制度としては次のものがあります
  • ├(1)盲学校・聾学校・養護学校
  • ├(2)小・中学校の特殊学級
  • ├(3)通常の学級での授業の他に特別の指導を特別の場で行う通級による指導

3:医療保険制度は色々な制度・法律が絡んでいます

    【1】通常の医療保険は以下に分類されます
  • ├(1)健康保険
  • 政府管掌健康保険(中小企業サラリーマン)
  • 組合管掌健康保険(大企業サラリーマン)
  • ├(2)船員保険(船員)
  • ├(3)各種共済(公務員・私立教職員)
  • ├(4)国民健康保険(自営業など)
  • ├(5)国民健康保険組合(開業医・建設業等)

【2】退職後には任意継続被保険者制度もあります

    【3】医療費には公費負担もあります
  • 1)法令としては
  • ├(1)結核予防法
  • ├(2)生活保護法
  • ├(3)戦傷病者特別援護法
  • ├(4)身体障がい者福祉法(本稿第4章参照)
  • ├(5)児童福祉法
  • ├(6)原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律
  • ├(7)精神保健及び精神障がい者福祉に関する法律(本稿第3章参照)
  • ├(8)麻薬及び向精神薬取締法
  • ├(9)母子保健法
  • ├(10)感染症予防・医療法
  • ├(11)老人保健法
  • ├(12)公害健康被害の補償等に関する法律
  • ├(13)介護保険法
  • ├(14)母子家庭等医療費助成条例(市町村単位)
  • 2)制度・事業としては
  • ├(1)乳幼児医療費公費負担制度
  • ├(2)療育制度
  • ├(3)育成医療(本稿第3章第4章参照)
  • ├(4)厚生医療(本稿第3章第4章参照)
  • ├(5)小児慢性特定疾患治療研究事業(本稿第6章参照)
  • ├(6)重度心身障がい者医療費助成制度
  • ├(7)精神障がい者通院医療費公費負担制度(本稿第3章参照)
  • ├(8)原爆被爆者医療
  • ├(9)特定疾患治療研究事業(本稿第6章参照)
  • ├(10)70歳以上の方の制度
  • 老人保険制度
  • 老人訪問看護事業
  • ├(11)母子家庭等医療費助成(市町村単位)

【4】高額療養費に対する給付
1ヵ月の医療費の患者負担(一部負担金)が高額になったとき限度額を超えた分が高額療養費として後から払戻されます

【5】傷病手当金制度
病気や負傷の為に働く事ができず、且つ、その間賃金の支給を受けることができない場合に、標準報酬月額の一部が支給されます

    【6】出産に関する保険給付
  • ├(1)正常な出産のときは病気とみなされないため費用は自費扱いになります
  • ├(2)被保険者が出産をしたときは、1児ごとに出産育児一時金が支給されます
  • ├(3)被保険者が出産のため会社を休み、事業主から報酬が受けられないときは、出産手当金が支給されます
  • ├(4)異常出産のときは、健康保険が適用されますので療養の給付を受けることができます

    【7】保険で受けられない診療
  • ├(1)正常な妊娠・出産
  • ├(2)健康診断や結核検診、人間ドック
  • ├(3)美容形成手術
  • ├(4)経済上の理由による人工妊娠中絶
  • ├(5)単なる疲労や倦怠感
  • ├(6)近視の手術
  • ├(7)予防接種

【8】医療費控除
医療費を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます

4:労働者災害補償保険・雇用保険の制度 (本稿第8章参照)

  • ├(1)労働者災害補償保険
  • 業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障がい、死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行い、あわせて、業務上の事由又は通勤により負傷し、又は疾病にかかった労働者の社会復帰の促進、当該労働者及びその遺族の援護、適正な労働条件の確保等を図り、もつて労働者の福祉の増進に寄与することを目的としています
  • ├(2)雇用保険制度
  • 労働者の生活及び雇用の安定と就職の促進のために、失業された方や教育訓練を受けられる方等に対して、失業等給付を支給します。また、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進等を図るための事業が行われています

5:公的年金保険制度 (本稿第7章参照)

公的年金制度は、老後の所得保障の主柱として、高齢者の老後生活を実質的に支えていくことをその役割としています。障がい年金制度などもあります。

6:生活保護制度

日本国憲法第25条は、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と定め、この権利を具体的に実現するために作られたのが生活保護制度です。単に生活に困っている人々に、最低生活を保障するだけではなく、積極的に自立の援助を行うことも目的としています。医療扶助として診療、治療等の費用の給付があります。

7:身体障がい者・知的障がい者の医療と福祉 (本稿第3章 第4章参照)
8:精神障がい者の医療と福祉 (本稿第3章参照)
9:介護保険制度

老後の最大の不安要因である介護を社会全体で支える仕組みで、介護が私的介護から公的介護へと制度化されました。税金によらず、保険料という社会保険方式により、給付と負担の関係を明確にし、契約関係という国民の理解を得やすい仕組みになっています。従来の縦割り制度を再編成し、利用者の選択により、多様なサービス提供主体から保険、医療、福祉のサービスを総合的に受けられ、措置から契約に移行しています。介護を医療保険から分離し、社会的入院解消の条件整備を図るなど、社会保険構造改革の第1歩となる制度で、医療費増大の縮減も期待されています。