福祉の豆知識:第5章

1:視覚障がい程度の認定の方法

【1】視覚障がいは視力障がいと視野障がいとに区分して認定します(表3)。

【表3】
1級両眼の視力の和が0.01以下のもの
2級1.両眼の視力の和が0.02以上0.04以下のもの
2.両眼の視野がそれぞれ10度以内でかつ両眼による視野について視能率による損失率が 95%以上のもの
3級1.両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの
2.両眼の視野がそれぞれ10度以内でかつ両眼による損失率が90%以上のもの
4級1.両眼の視力の和が0.09以上0.12以下のもの
2.両眼の視野がそれぞれ10度以内のもの
5級1.両眼の視力の和が0.13以上0.2以下のもの
2.両眼による視野の2分の1以上が欠けているもの
6級一眼の視力が0.02以下、他眼の視力が0.6以下のもので、両眼の視力の和が0.2を越えるもの

【2】視力障がいと視野障がいの両方が障がい程度等級表に揚げる障がいに該当する場合は、重複障がい認定の原則に基づき認定します(表4表5参照)。

【3】視野障がいの状態には周囲からほぼ均等に狭くなるもの(求心性狭窄)、ある部分だけが欠損して見えないもの(不規則性狭窄)、左右眼の視野の半分に欠損が現れるもの(同名半盲、両耳側半盲、両鼻側半盲)などがあり、症状によって暗点(中心暗点、周辺暗点、輪状暗点等)が現れますので、所見を認定基準に照らし、その障がい程度を判定します。

2:二つ以上の障がいが重複する場合の障がい等級の認定方法

【1】等級別指数表により各々の障がいの該当する等級の指数が決まります(表4)。

【表4】
障がい等級1級2級3級4級5級6級7級
指数181174210.5

【2】合計指数は、各々の障がいの該当する障がい等級別の指数(表4)を合計したものです。重複する障がいの合計指数に応じて、認定等級が決まります(表5)。

【表5】
合計指数18以上11~177~104~62~31
認定等級1級2級3級4級5級6級

【3】7級の障がいは、一つのみでは身体障がい者福祉法の対象となりませんが、7級の障がいが二つ以上重複する場合又は7級の障がいが6級以上の障がいと重複する場合は法の対象となります。

3:認定基準に使われる視能率とは

図2視能率は、視覚の機能障がいの評価法の一種で、機能が健常であれば視能率は100%となります。また、視力が全くない場合は、視能率は0%となります。通常「視能率の損失率」で障がいの程度を表す慣行となっていますので、健常では損失率0%、視力が全くない場合は損失率100%ということになります。 視野障がいの視能率を求めるには、視野計を使い8方向の残存視野の角度を測定しそれを合計したうえで、その結果を560で除算します。ここで、560で除算するのは、平均的な日本人の場合、同じ方法で計算するとその合計が560度になるので、それとの比較をしています(図2、表6)。

【表6】
上外外下下内内上計(1)視能率(2)損失率(3)
60度75度95度80度70度60度60度60度560度100%((1)÷560×100)0%(100-(2))
4:両眼による視野についての視能率による損失率の求め方

【1】まず一眼について8方向の残存視野の角度を測定し合計します
視野障がいの視能率の損失率を求めるには、まず、視野計を使い8方向の残存視野の角度を測定し合計します。視野の測定には、ゴールドマン視野計又は自動視野計又はこれらに準ずるものを用いて測定します。ゴールドマン視野計を用いる場合、中心視野の測定には I/2の指標を用い、周辺視野の測定にI/4を用います。それ以外の測定方法によるときは、これに相当する指標を用いることとします。

【2】次に一眼の視能率を計算します
次の式により一眼の視能率を計算します。残存視野の角度の合計/560×100(%)。この場合、百分率(%)は、少数点以下四捨五入とします。

【3】一眼の損失率が計算できます
次の式により一眼の損失率が計算できます。100-視能率(%)

【4】他眼の視能率による損失率も計算します
【1】~【3】と同様に、他眼の損失率を計算します。

【5】最後に両眼による損失率を計算します
次の式により、両眼の損失率を求めます。(3×損失率の小さい方の眼の損失率+損失率の大きい方の眼の損失率)/4(%)。 ここでは、良い方の眼に重みがつけられています。また、この場合も、百分率(%)は、小数点以下四捨五入とします。

5:具体例

図3視能率を測定するのは、求心性視野狭窄により両眼の視野がそれぞれ10度以内の場合です。この場合、輪状暗点があるものについて中心の残存視野がそれぞれ10度以内のものを含みます。例として、中心部の半径10度の円内だけが見え、その周囲はまったく見えないような求心狭窄の場合を計算してみますと、(560-80)/560×100=86%の損失率となります(図3、表7)。

【表7】
上外外下下内内上計(1)視能率(2)損失率(3)
10度10度10度10度10度10度10度10度80度14%((1)÷560×100)86%(100-(2))
6:「両眼による視野障がいの2分の1以上が欠けているもの」について

「両眼による視野の2分の1以上が欠けているもの」とは、両眼で一点を注視しつつ測定した視野の生理的限界の面積が2分の1以上欠損している場合のみです。したがって両眼の高度の不規則性視野狭窄又は半盲性視野欠損等は該当しますが、両耳側半盲、両鼻側半盲等は、該当しない場合もあります。この場合の視野の測定方法は、片目ずつ測定し、それぞれの視野表を重ね合わせることで視野の面積を算定します。その際、面積は厳格に測定しなくともかまいませんが、診断書には視野表を添付する必要があります。