福祉の豆知識:第7章

1:障がい年金・手当とは

【1】障がい基礎年金
国民年金に加入中に初診日がある病気・けがが原因で障がい者になったときに支給される国民年金の給付です。60歳以上65歳未満で日本に住んでいれば、加入をやめた後の病気・けがによるものでも受けられます。ただし、加入期間のうち3分の1以上滞納がないか、平成18(2006)年4月1日前に初診日のある傷病による障がいの場合は直近の1年間に保険料の滞納がないことが条件になります。なお、20歳前に初診日がある場合は、20歳に達した日又はその後に障がい認定日が到来するときはその日において障がいがあれば障がい基礎年金が支給されます。障がいの程度に応じて1級と2級があり、1級のほうが障がいが重く、年金額は2級の1.25倍になっています。

【2】障がい共済年金
共済(国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員共済)に加入している人が、在職中の病気やけがで障がいになったとき受けられる年金です。1級・2級の場合は、障がい基礎年金と障がい共済年金が、さらに程度の軽い障がいの場合は3級の障がい共済年金だけが受けられます。受けられる条件などは障がい厚生年金と同じですが、障がい共済年金には共済独自の職域加算額が加算されます。

【3】障がい厚生年金
厚生年金に加入している人が、在職中の病気やけがで障がいになったとき受けられる年金です。1級・2級の場合は障がい基礎年金と障がい厚生年金が、さらに程度の軽い障がいの場合は、3級の障がい厚生年金だけが支給されます。障がい厚生年金を受けるためには、障がい基礎年金の保険料納付要件を満たしている必要があります。

【4】障がい手当金
厚生年金に加入している間に初診日のある病気・けがが初診日から5年以内に治り、3級の障がいよりやや程度の軽い障がいが残ったときに支給される一時金です。障がい手当金を受ける場合も、障がい基礎年金の保険料納付要件を満たしている必要があります。

2:障がい認定日

障がい認定日とは、文字通り障がいの程度を評価し、障がい基礎年金等を支給するか否かを認定する日であり、次の2つの時点があります。

  • ├(1)傷病が治っていない(固定していない)場合には、初診日から1年6ヵ月を経過した日
  • ├(2)初診日から1年6ヵ月を経過しなくても、その間に傷病が治った(固定した)ものであれば治った(固定した)ものと認められた日

3:障がい認定基準 表11 表12 表13 表14

障がいの程度が政令に定められた一定の基準以上の状態とは、年金給付においては国民年金法施行令別表(以下「国年令別表」といいます)または厚生年金保険法施行令別表第一(以下「厚年令別表第一」といいます)に示すとおりです。また、障がい手当金については厚生年金保険法施行令別表第二(以下「厚年令別表第二」といいます)に示すとおりであり、かつ、傷病が治った(固定した)状態のものとなっています。具体的には国民年金からは障がい等級1級・2級の障がいの方には障がい基礎年金が、厚生年金保険(共済年金)からは障がい基礎年金に上乗せする1級・2級の障がい厚生年金(障がい共済年金)が支給されます。また、国民年金の障がい基礎年金が支給されない場合でも、一定の障がいの状態に該当する場合は、3級の障がい厚生年金(障がい共済年金)または障がい手当金(障がい一時金)が支給されます。しかし、厚年令別表第二に定められた障がいの程度であっても、初診日から1年6ヵ月を経過した障書認定日において、傷病が治っていない(固定していない)ものと認められるときは障がい厚生年金(3級)が支給されます。

4:眼の障がいの認定要領

【1】眼の障がい
眼の障がいは、視力障がい、視野障がい、まぶたの欠損障がい、両眼の調節機能及び輻輳機能の障がいに区分されます。このうち、視力障がい及び視野障がいについては、いずれも別表は数値によって明示していますので、認定はそれにしたがうことになります。 厚年令別表第二に示す「両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの」とは、普通にまぶたを閉じた場合に角膜を完全に覆い得ない程度のものであり、「両眼の調節機能及び輻輳機能に障がいを残すもの」とは、眼の調節機能及び輻輳機能の障がいのため複視、頭痛等の眼精疲労が生じ、読書等が続けられない程度のものをいいます。視力障がいは厚年令別表第二に示すように、両眼の視力が、0.6以下に減じた程度のもの、一眼の視力が0.1以下に減じた程度のものから障がいの対象となりますが、これはあくまでも傷病が発生するまでは視力障がいはなかったものという前提に立ってのことであり、既存の障がいとして国年令別表または厚年令別表第一及び厚年令別表第二に該当する程度の視力障がいがあれば、はじめて2級による年金に該当する場合を除いてその障がいについては現症から差引く(差引認定)ことになります。この差引認定は視力障がいに限らず、すべての障がいについて適用されますが、視力障がいの場合には特にその例が多いところです。既存障がいの有無及び程度は診断書に記載します。

  • ~参考~
  • (1)既存の障がい
    視力障がいはあくまでも傷病が発生するまでは視力障がいはなかったものという前提に立ってのことであり、既存の障がいとして国年令別表または厚年令別表第一及び厚年令別表第二に該当する程度の視力障がいがあれば、はじめて2級による年金に該当する場合を除いてその障がいについては現症から差し引く(差引認定)ことになります。
  • (2)はじめて2級以上による年金の制度
    一定の障がいの状態(3級以下)にあるものが、新たに発した傷病のために障がいが重くなる場合があります。この場合、新たな障がいと既存の障がいとを併合して、国年令別表の2級以上の障がいの状態となったときは、障がい基礎年金等の請求をすることができます。この制度を「はじめて2級以上による年金」といいます。ただし、この制度は、65歳に達する日の前日までに、複数の障がいを併合して2級以上の障がいの程度にはじめて該当した場合に支給されるものです。

国民年金・厚生年金保険障がい認定基準 障がい等級1級(国年令別表)【表11】
番号障がいの状態
01両眼の視力の和が0.04以下のもの
02両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの
03両上肢の機能に著しい障がいを有するもの
04両上肢のすべての指を欠くもの
05両上肢のすべての指の機能に著しい障がいを有するもの
06両下肢の機能に著しい障がいを有するもの
07両下肢を足関節以上で欠くもの
08体幹の機能に座っていることができない程度又は立ち上がることができない程度の障がいを有するもの
09前各号に掲げるもののほか、身体の機能の障がい又は長期にわたる安静を必要とする症状が前各号と同程度以上と認められる状態であって日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
10精神の障がいであって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
11身体の機能の障がい若しくは病状又は精神の障がいが重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの
国民年金・厚生年金保険障がい認定基準 障がい等級2級(国年令別表)【表12】
番号障がいの状態
01両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの
02両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの
03平衡機能に著しい障がいを有するもの
04そしゃくの機能を欠くもの
05音声又は言語機能に著しい障がいを有するもの
06両上肢のおや指及びひとさし指又は中指を欠くもの
07両上肢のおや指及びひとさし指又は中指の機能に著しい障がいを有するもの
081上肢の機能に著しい障がいを有するもの
091上肢のすべての指を欠くもの
101上肢のすべての指の機能に著しい障がいを有するもの
11両下肢のすべての指を欠くもの
121下肢の機能に著しい障がいを有するもの
131下肢を足関節以上で欠くもの
14体幹の機能に歩くことができない程度の障がいを有するもの
15前各号に掲げるもののほか、身体の機能の障がい又は長期にわたる安静を必要とする症状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は、日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
16精神の障がいであって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
17身体の機能の障がい若しくは病状又は精神の障がいが重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの
国民年金・厚生年金保険障がい認定基準 障がい等級3級(厚年令別表第一)【表13】
番号障がいの状態
01両眼の視力が0.1以下に減じたもの
02両耳の聴力が、40センチメートル以上では通常の話声を解することができない程度に減じたもの
03そしゃく又は言語の機能に相当程度の障がいを残すもの
04脊柱の機能に著しい障がいを残すもの
051上肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの
061下肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの
07長管状骨に疑関節を残し、運動機能に著しい障がいを残すもの
081上肢のおや指及びひとさし指を失ったもの又はおや指若しくはひとさし指を併せ、1上肢の3指以上を失ったもの
09おや指及びひとさし指を併せ1上肢の4指の用を廃したもの
101下肢をリスフラン関節以上で失ったもの
11両下肢の十しの用を廃したもの
12前各号に掲げるもののほか、身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障がいを残すもの
13精神又は神経系統に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障がいを残すもの
14障がいが治らないで、身体の機能又は精神若しくは神経系統に労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障がいを有するものであって、厚生大臣が定めるもの
国民年金・厚生年金保険障がい認定基準 障がい手当金(厚年令別表第二)【表14】
番号障がいの程度
01両眼の視力が0.6以下に減じたもの
021眼の視力が0.1以下に減じたもの
03両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
04両眼による視野が2分の1以上欠損したもの又は両眼の視野が10度以内のもの
05両眼の調節機能及び輻輳(ふくそう)機能に著しい障がいを残すもの
061耳の聴力が、耳殻に接しなければ大声による話を解することができない程度に減じたもの
07そしゃく又は言語の機能に障がいを残すもの
08鼻を欠損し、その機能に著しい障がいを残すもの
09脊柱の機能に障がいを残すもの
101上肢の3大関節のうち、1関節に著しい機能障がいを残すもの
111下肢の3大関節のうち、1関節に著しい機能障がいを残すもの
121下肢を3センチメートル以上短縮したもの
13長管状骨に著しい転移変形を残すもの
141上肢の2指以上を失ったもの
151上肢のひとさし指を失ったもの
161上肢の3指以上の用を廃したもの
17ひとさし指を併せ1上肢の2指の用を廃したもの
181上肢のおや指の用を廃したもの
191下肢の第1し又は他の4し以上を失ったもの
201下肢の5しの用を廃したもの
21前各号に掲げるもののほか、身体の機能に、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障がいを残すもの
22精神又は神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障がいを残すもの

※視力は、眼鏡またはコンタクトレンズによって矯正された視力により認定します。