角膜移植

眼の構造

角膜の構造角膜は眼の前面に位置する厚み約0.5ミリメーター、直径約12ミリメーターのドーム状の透明な部分です。角膜の役割は大きく分けて2つあります。1つは外壁として眼球内容を保護すること、またもうひとつの役割は外部からの光線を屈折させ網膜に焦点をあわせます。そのためには角膜は丈夫で透明でなければなりません。

角膜の構造

角膜の構造

角膜は外側から、(1)上皮細胞層、(2)ボーマン膜、(3)実質層、(4)デスメ膜、(5)内皮細胞層の5層で構成されています。それぞれの役割を簡単にご説明します。

  • (1)上皮細胞層:全体の厚みの10%。上皮細胞は分裂が盛んで約1週間で入れ替わります。この部分が傷つくとひどく痛みますが、少々の傷であれば数日で跡を残さず治ります。
  • (2)ボーマン膜:厚み約8~18マイクロミリメーターの無構造の膜。
  • (3)実質層:全厚みの90%を占めており、コラーゲンで構成されています。この部分が傷ついたり、細菌感染をおこすと角膜に濁りを残すことがあります。
  • (4)デスメ膜:厚み約5~10マイクロミリメーターの無構造の膜。
  • (5)内皮細胞層:角膜の一番内側にある細胞で、角膜の透明度を保つのに重要な役割を担っています。この細胞は生まれたときから数が決まっており、怪我や病気である程度以上減ってしまうと、角膜は白く濁ってしまいます。

角膜の状態角膜が濁ってしまったら視力は悪くなりますし、薄くなって破れてしまったら、外から細菌が目の中に進入して眼内炎をおこしてしまいます。いろいろな原因で濁ったり弱くなった角膜で、薬で治療が出来ない場合に行うのが”角膜移植”です。これは傷んだ角膜とドナーから提供された健康な角膜とを取り替える手術です。手術にかかる時間は30分~1時間ほどで、ほとんど痛みは感じません。また角膜には血管がないため他の臓器と比較して手術後の拒絶反応をおこす確率も低く、比較的早期の社会復帰が可能です。

しかしながら現在の角膜提供数は、移植をお待ちになっている患者様の数に比べるとはるかに少なく移植が受けられるまでに何年も待たなければならないのが現状です。そこで当院ではアメリカのアイバンクと提携し、必要時に角膜の提供を受けられるようにしております。従って、手術の計画も患者様のご都合にあわせて立てることが可能になりました。こうして大島眼科病院では、平成10年より4年間に約100人もの方が光を取り戻しておられます。

角膜移植の様子

大島眼科病院で角膜移植を受けられる患者様は九州内はもちろん、沖縄県や離島からも大勢来院されています。入院期間は約2週間から1ヶ月くらいが目安で、その間、副腎皮質ホルモンや抗生物質の点滴治療なども行います。退院後も定期的に外来で経過観察をしていきます。しかしながら全ての患者様が角膜移植を受けられるとは限りません。角膜以外の他の眼の病気があったり、内科の病気で手術が受けられない場合などもありますので、詳しくは当病院で専門医師の診察を受けられるようお勧めします。