眼瞼けいれん

Q1:まぶたのけいれんはどんな病気でおこりますか?
A1:
まぶたにみられるけいれんは、顔面ミオキミア眼瞼(がんけん)けいれん片側顔面(へんそくがんめん)けいれんで起こります。顔面ミオキミアはまぶたの一部がけいれんする病気で、眼瞼けいれんは両眼のまぶたが上下とも等しくけいれんする病気。片側顔面けいれんは片側のまぶたと一緒に同じ側の他の顔面筋が連動して動き、顔面ミオキミアよりも速くけいれんします。

Q2:まぶたの下がピクピクして困っていませんか?
A2:
まぶたの下がピクピクするようになり、お困りではありませんか。最初は疲れ目ぐらいに思っていたのがだんだん一日に起こる回数が増え、最近はさらにピクピクが激しくなって、人と話していてもどうしたのと聞かれたりしませんか。下眼瞼(下まぶた)の一部がけいれんする病気として、顔面ミオキミアが考えられます。

Q3:顔面ミオキミアはどんな病気ですか?
A3:
ミオキミアは不規則で持続時間が長い小さな不随意運動で、一部の皮膚表面からさざ波が周囲に波紋状に伝わるような筋収縮で観察され、自覚的にはピクピクとした感じが一般的です。発生のしくみは、下位運動神経(ニューロン)に異常な電気活動が生じるため、その支配下にあるいくつかの筋線維(筋線維束)が安静時に群発して興奮することによって起こるとされています。これが顔で起こる顔面ミオキミアは、顔面神経が支配する眼輪筋という筋肉の一部に異常な興奮が発生することで生じます。確定診断を行うには眼輪筋を針筋電図で調べ、特徴的な筋放電パターンが観察されるとこの病気と判断します。

Q4:顔面ミオキミアの原因は?
A4:
ミオキミアは顔面では下眼瞼に多く、健康な人でもワープロやパソコンの長時間操作などがもたらす眼精疲労や、寝不足の際に一時的に感じられることがあります。その他に顔面ミオキミアを起こしうる疾患には、脳幹部の腫瘍(しゅよう)や炎症、多発性硬化症、外傷による顔面神経損傷の後遺症などが挙げられます。

Q5:顔面ミオキミアと眼瞼けいれん、片側顔面けいれんはどう違うのですか?
A5:
顔面にみられるけいれんでは、顔面ミオキミアと区別すべき眼瞼けいれん片側顔面けいれんが挙げられます。眼瞼けいれんは両眼のまぶたが上下とも等しくけいれんし、片側顔面けいれんは片側のまぶたと一緒に同じ側の他の顔面筋が連動して動き、ミオキミアよりも速くけいれんします。

Q6:光が眩しい、まばたきの回数が多くなった、まぶたや口元がピクピクする、顔がひきつるなどの症状はありませんか?
A6:
疲れた時や精神的なストスレスが重なったときなど、眼瞼(まぶた)がピクピクと細かく痙攣することは多くの人が経験します。通常ぐっすり眠るなどして休むとこの症状は消えますが、時には心当たりがないのに、ひくつきやまばたきが頻繁に起きることがあります。こんな時は眼瞼けいれんの疑いがありますので、眼科の専門医に相談されて適切な治療を受けられた方がよいでしょう。放っておくと次第に重症化し、ひどいときはまぶたが開かなくなったり、本を読むこともテレビを見ることもできなくなることがあります。いわゆる機能的失明状態になることがあります。

Q7:眼瞼けいれん(眼瞼痙攣)とは?
A7:
眼瞼けいれんの現われ方まぶたを閉じる筋肉(眼輪筋)のけいれんにより、突発的に両方の目をギュッと閉じてしまい、しばらく開けられなくなります。

まぶたを閉じるときに働く筋肉(眼輪筋)が不随意に収縮する病気です。結膜炎や角膜炎、異物の侵入、ドライアイ、ヒステリー、チックなどで起こるけいれんとは全く別のけいれんです。”本態性眼瞼けいれん”とも呼ばれ、はっきりとした原因は分かっていません。症状はまばたきが増えたり、眩しさを感じたりすることから始まり、まばたきが増加し、明るいところで異常に眩しさを感じたり、さらに指でまぶたを持ち上げないと見にくいなどの症状が出ます。症状が重くなるとまぶたが開かなくなり、目が見えない状態にまで進んでしまうこともあります。眩しい光やストレスはこれらの症状を悪化させます。症状の進行はゆっくりしていますが、そのまま放っておいて自然に治る病気ではありません。多くの場合は次第にけいれんの回数が増し、日常生活や仕事に大きな支障をきたすことになります。40~70歳の中高齢者で発症することが多く、男女の比率はほぼ1対2で女性に多くみられます。

Q8:片側顔面けいれん(片側顔面痙攣)とは?
A8:
顔の筋肉は小さな筋肉の集まりで、それぞれの動きの組み合わせで微妙な表情がつくられます。片側顔面けいれんは、それらの筋肉が自分の意思に関係なくけいれんする病気です。通常、片眼の眼輪筋と、同側の顔面の筋肉のけいれんが同期して起こります。症状は、片方の目のまわりの軽いピクピクしたけいれんにはじまり、次第に同じ側の額、頬、口、あごなどへ広がっていきます。けいれんの程度が強いと、顔がキューッとつっぱりゆがんだ状態になることもあります。片側顔面けいれんは、これらの筋肉を支配している顔面神経が、脳幹から出たところで血管に圧迫されて興奮することが原因と言われています。そのまま放っておいて自然に治る病気ではなく、日常生活や仕事に大きな支障をきたすことになります。

Q9:顔面ミオキミア、眼瞼けいれん、片側顔面けいれんの治療法はありますか?
A9:
治療に際しては、まず基礎疾患の有無を頭部MRIなどで検討します。明らかな病変が認められない場合は、対症療法として抗けいれん薬の内服を行います。片側顔面けいれんの場合は、血管の圧迫を解除する手術療法もあります。薬物療法が効かない場合や手術を避けたい場合は、近年ボツリヌス毒素療法が行われるようになりました。この毒素は、運動神経筋接合部で神経末端から神経伝達物質が放出されることを阻害し、異常な興奮が眼輪筋へ伝わることを遮断して、けいれんを抑えてくれます。まぶたの皮下にうすめたボツリヌス毒素を注射することにより、眼輪筋の不随意な収縮を抑えることが可能なのです。治療効果は注射後1ヶ月ごろが最大で、3~6ヶ月程度効果は続きますが、その後弱まるため再度注射が必要となります。副作用として、寝ているときに眼が閉じにくくなることや、物が二重に見えるということなどがまれに起こりますが、これらは一時的なものです。全身に対する副作用はないため通院治療が可能で入院は必要ありません。しかし現時点で日本におけるこの治療法は眼瞼けいれん片側顔面けいれんにのみ認められおり、顔面ミオキミアには認められていません。ボツリヌス療法の治療薬はボツリヌス毒素を利用しているため、登録された医師でないと治療ができません。当院には診療や治療を行っている専門医が勤務しております。

※ボツリヌス療法及びボトックス治療対象疾患(眼瞼痙攣・片側顔面痙攣・痙性斜頸)に関する最新情報サイト(グラクソ・スミスクライン株式会社) 眼瞼けいれん・片側顔面けいれん