緑内障

眼球水平断面図Q1:緑内障って何?
A1:
緑内障は眼の奥の視神経が障害され、視野(見える範囲)が狭くなる病気で、眼圧(眼球の内圧)の上昇がその原因の一つといわれています。

Q2:どうして起こるのでしょう?
A2:
房水眼の中には房水と呼ばれる液体が出入りして眼球の内圧(眼圧)を一定に保っています。この房水の流出路に異常が生じると眼球内に房水が溜まり眼圧が上昇します。その結果・・・、眼球内にある視神経が圧迫により障害を受け、視野(見える範囲)が少しずつ狭くなっていきます。眼圧の正常範囲は10~21ミリメーターHgです。

Q3:17人にひとり?
A3:
日本眼科学会雑誌によれば、40歳以上の人口のうち5.78%・・・つまり17人に1人が緑内障にかかっているということになります。ところが実際に治療を受けておられる方はその20%に過ぎず、80%近くの方はご自分では気づかず未治療だということになります。これは一般的に緑内障が自覚症状に乏しく、知らないうちに病気が進むことが多いことによります。徐々に視野が狭くなっても末期になるまで視力には障害が起こらないことがあり発見が遅れることにつながります。
疫学調査による緑内障の病型別患者数と有病率

Q4:早期発見・早期治療?
A4:
大切なことは、早期発見・早期治療です !!一度障害された視神経は元どおりに回復することはありません。ですから病気の進行を出来る限りくい止めることが、治療の目的になります。

Q5:緑内障の種類?
A5:
先天性緑内障  生まれつき房水の流出路が未発達なためにおこります。

A5:正常眼圧緑内障  眼圧が正常範囲(10~21ミリメーターHg)であるにも拘らず緑内障になるものです。わが国の緑内障患者さんのうち約60%はこのタイプです。視神経の眼圧に対する耐性は人それぞれですので、眼圧が少々高くても異常のない方がおられたり、逆に正常より低い眼圧で視神経が障害される方がおられたりするわけです。眼圧の正常値は欧米諸国を含めたものですので、日本人の場合の正常値はやや低めと考えられています。つまり、その人その人それぞれに適した正常な眼圧値があるといえましょう。

A5:原発開放隅角緑内障  房水の流出路である線維柱帯のトラブルでおこります。

A5:原発閉塞隅角緑内障  房水の流出路が狭いためにおこります。比較的中高齢の女性に多く、急性型と慢性型があります。

A5:続発性緑内障  外傷、眼の炎症や薬剤による影響などで二次的に起こるものを言います。

Q6:どんな症状があるのでしょう?
A6:
慢性型  初期段階では自覚症状はないことが多いのですが、電球の光の周りにかさがかかって見えたり、眼の疲れを感じたりすることがあります。視野が欠け始めと物が一瞬消えて見えたりすることもあります。

A6:急性型  急激に眼圧が上昇し眼の痛みやかすみ、頭痛、吐き気など激しい症状が起きます。このような発作が起きた場合は一刻も早く眼圧を下げる必要があります。

Q7:どんな検査をするのでしょう?
視力検査A7:視力検査  必須の基本検査です。※右図:視力検査の様子

A7:眼圧検査  目の表面に直接測定器具をあてる方法と、機械で風をあてる方法があります。緑内障の発見や症状のコントロールのために大切な検査です。眼圧には”日内変動”といって、1日24時間の中でも動きがあります。昼間に低くても夜間に高いことがあり、これが緑内障の進行に影響する場合があります。このため当院では外来での眼圧検査のみでなく1泊入院していただいて、24時間眼圧を測定する検査も実施しています。

眼底/視神経乳頭A7:眼底検査  視神経の状態を知る大切な検査で緑内障発見のために欠かせません。視神経が障害されると、視神経乳頭部の凹みが大きくなります。医師が直接診察したりレーザー光線を用いた写真(下記HRTの項目を参照)をコンピューターで解析して見る方法などがあります。

A7:視野検査  視野の欠損(見えない範囲)の存在の有無や大きさから緑内障の進行具合を判定することができます。この検査を面倒がる方もおられますが、緑内障の経過を見ていくには欠かせないものです。できるだけ現状を実感して理解していただき、治療を中断することなく続けて頂けるよう心がけています。
視野検査

HRT
A7:HRT  最先端の検査機械で視神経を撮影し、その画像を詳しくコンピューターで解析するものです。視神経の状態を客観的にとらえることができます。この機械は世界の眼科先進国で受け入れられており、当院にも導入されています。

Q8:治療法は?
A8:
眼圧を下げることです。これには薬物療法、レーザー治療、それと手術があります。しかし、眼圧を下げてもいったん弱った視神経は回復しません。

A8:薬物療法  正しい点眼方法緑内障治療の主幹は点眼薬によります。最近は多種の緑内障点眼薬が発売されています。主に房水の産生量を減らしたり房水の流出を増やしたりするものです。治療は通常一種類の点眼薬から始めその後の様子を見て変更したり、2~3種類を併用したりします。このときの注意点として指示された点眼回数や量を守ることがとても大切です。
また、点眼薬とはいっても全身への影響のあるものも少なくありません。たとえば喘息を誘発したり、血液の循環を弱めてしまうことがあります。これを極力避けるために点眼後は、目頭を軽く押さえると良いでしょう。もともと自覚症状が無いところに点眼薬を使ってもその治療効果を自分で実感しにくいので、治療を途中で断念してしまう方もおられます。一旦障害された視神経は回復不能です。緑内障は少しずつですが視神経を障害し視機能を低下させていきます。地味ではありますが、点眼薬で進行を少しでも遅らせていきましょう。

レーザー治療の様子A8:レーザー治療手術療法  薬物治療にて眼圧のコントロールがうまくいかないときには、レーザー治療や手術を行うことになります。それにより房水を流れやすくし、眼圧の上昇、視野欠損の進行を防ぎます。しかし、手術をしたからといってダメージを受けた視神経が回復するわけではありませんし、手術後も引き続いて緑内障と上手につきあうための治療や管理が必要です。

緑内障のこと、おわかりいただけましたか?とにかく早期発見、早期治療がなにより大切です。”見えるからいいや”という自己判断は危険です。今まで人間ドックで緑内障を疑われた方、以前に緑内障の治療を受けていたけれど今は中断されている方、家族が緑内障と診断された方などは、これをきっかけに眼科で精密検査を受けられると良いでしょう。また、40才を過ぎた方には年に一度の眼科検診をおすすめします。